NBA観戦記 :プチNBAマニアになれるスタッツ御殿


ついにシャックも老朽化? 「オニール=ポンコツ説」

シャキール・オニール

デフェンディング・チャンピオンのヒートが不振に喘いでいる。シーズンの半ばを折り返し、46試合で21勝の勝率4割5部7厘、イースタンカンファレンス暫定9位とプレイオフ出場の当落選上に位置している状況だ。


チャンピオンにあるまじき停滞の理由はひとえに続出するケガ人に他ならない。Jウィル、ドウェインは共に10試合前後を欠場し、ジェームス・ポージーとアントワンは規定の体脂肪率をオーバーしたとやらの理由でチームから試合出場停止処分をくらうという笑い話があり、そしてシャックにいたっては今期は7試合にしか出場していない。それでも、スターターとしてオールスターには選出されたが・・・。


ヒート移籍後のシャックの年間欠場試合数は、92339と明らかな増加傾向が見られる。また、スタッツ上の成績低下も著しい。平均得点は22.920.012.6と推移し、平均リバウンド数も10.4キャリア初の2桁割れの9.26.7と堅調に減少している。もちろん成績低下の背景にはプレイタイムの減少も見逃せない一因ではある。キャリアで平均36.9分プレイしているが、ヒート移籍の3年間は34.1分30.6分25.7分しかプレイできていない。


今は懐かしきペニーとスポットライトを奪い合ったオーランド時代やコービーと覇権争いをしていたレイカーズ時代と違い、ヒートでは新進気鋭のドウェイン坊やを後ろから見守る隠居生活を送っているようなイメージがある。彼はもうキャリアの終焉を迎えつつある終わった選手とか、ポンコツ、あるいは粗大ゴミだという評価をしている辛口なメディアも一部にはあるらしい。


しかし、ちょっと待っていただきたい。確かに復帰3試合目のキャブス戦ではアリウープダンクを外したり、レブロンにぶっ飛ばされたりと、無敵を誇った絶頂期には考えられないシャックの姿は一見「オニール=ポンコツ説」を裏付けるものであったかもしれない。成績的にはクリス・ケイマンとどっこいどっこいだ。少なくとも、毎試合我がもの顔でシャックアタックをお見舞いしていた往年の姿はだんだんと薄れつつある。ヤオ・ミン、伸び盛りのドワイト・ハワード、アマレらの台頭もあり最強のセンターの座は脅かされている。ただ、それでもなおシャックは現役有数のセンターであり続けている。


一度パスを出したら二度と帰ってこないエディー・カリーなどとは違って、シャックは周りのプレイヤーの能力を高められる稀有な存在だ。シャックがペイント内でふんぞり返っているおかげで、典型的なキャッチ&シューターのジェイソン・カポノの仕事は格段にやり易くなるし、ウェイドのカットインもより破壊力を増す。自分が40点、50点をとらなくてもチームを勝たせる術を体現しているのだ。シャックが試合に出場している限り、いかにシーズンではヘロヘロの成績であったとしても、ヒートは短期決戦のプレイオフでは依然として危険な存在であり続けている。


さらにいえば、いかにシャックの出来が悪かったとしても、プレイオフに行きさえすれば、ドウェイン・ウェイドが再び奇跡を起こしてくれる可能性はかなり高い。とりあえずヒートはプレイオフ進出が当面の目標になるだろう。ヒューストン・ロケッツのヤオ・ミンはインタビューにこう答えている。「シャキール・オニールは、現役引退するまでは最高のセンターであり続ける」と。プレイタイムが減って、ベンチに座る時間が増えたシャックではあるが、やはり彼が不敵に笑っているその姿にはいまだに恐怖心を覚えるものなのだろう。重鎮はいまだ健在のようだ。


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