いやいや、チャウンシーも頑張ったんです。2勝2敗で迎えたカンファレンス・ファイナル第5戦。第4クォーター残り31秒、88対89と逆転されたピストンズ。チャウンシーはそこから一旦は逆転となる3Pを事も無げにヒットさせ、同点に追いつかれた残り数秒に放ったブザービーターは惜しくもリングに嫌われる。
オーバータイムでは、残り3.1秒の場面でまたしてもチャウンシーがフリースローをゲット。これを2本とも決めるあたりファイナルMVPの面目躍如といったところ。ここらへんが、第4クォーターにフリースローを3本外し、ピストンズに引導を渡し損ねたレブロンとの差か、と思いつつ試合は未曾有のダブルオーバータイムへ。
「事実は小説よりも奇なり」とはよく言ったものである。レブロン・ジェームスがまた一歩、伝説に近づく活躍をみせた。たぶん、引退後にレブロンのキャリアを振り返ってみてもこの日のゲームはベストゲームの一つに数えられるものになるだろう。
レブロンはこの試合、キャバリアーズがあげた109点のうち最後の25点を1人で叩き出し、プレイオフキャリアハイとなる48得点をあげた。レブロンは、残り2.2秒で決勝点となるレイアップを決め、2度のオーバータイムにもつれ込む第5戦を、109―107で勝利した。2連敗から3連勝をあげ、ピストンズとのカンファレンス・ファイナルを3勝2敗とファイナル進出に王手をかけた。
レブロンの48点というのは、文章にすると大したことはなさそうであるが、ドリュー・グッデンが退場し、Z・イルガスカスも退場し、第4戦チャウンシーの怒りを買うには十分なスパークを見せたルーキーのダニエル・ギブソンも退場。サポーティング・キャストが揃って舞台から退場し、残った「レブロンの仲間たち」はレブロンにボールを供給することさえアップアップの状態の中、ダブルチーム、時にペイント内ではトリプルチームさえ仕掛けられるハードチェックをものともせず、ダンクを決め、ステップバック3Pをヒットさせ、決勝点までももぎ取って見せた。NBA史に残る活躍を見せたレブロンでした。
それにしても、百戦錬磨のピストンズ軍団はタフである。1人50分18秒を戦い抜いたレブロン以外に40分以上プレイしたのはパブロビッチだけのキャブスに対して、チャウンシーは53分19秒、テショーンも49分54秒、リップも48分41秒、ラシードが45分53秒と疲れ知らずの低燃費ぶりを存分に発揮。チャウンシーとリップなんて、もう1試合ぐらい行けそうな余裕すら漂っていた。
独力でピストンズディフェンスを制圧したレブロンは、スパーズとどう戦うのか。もちろん、ピストンズの巻き返しにも注目。今回の第5戦、案外忘れがちではありますが、第1クォーターにアントニオ・マクダイスがフレグラント・ファウルで一発退場したのも勝敗を分けた要因だったかも・・・。
や、それにしてもレブロンは「レブロン・ジェームス」の品質を毎年保たなければならない立場というのは、かな〜りたいへんなはず。ファンがレブロンに求めるハードルはおそろしく高いワケで、去年めちゃくちゃ高騰した「ドウェイン・ウェイド」株はそのクオリティを維持できなかった。常に市場平均を上回り続けるパフォーマンスを見せ続ける「レブロン」株に求められる最終到達点は、ファイナルMVPをおいて他にはない。誰もがポートフォリオに組み込みたい銘柄、それがレブロンである。
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