
株式分割とは、それまでの1株を1.5株とか2株とかに分割することで、例えば、1株を2株に分割すれば、1000株の持ち分は2000株になります。株価がそれまで2000円なら1000円になります。分割前の時価総額は200万円(2000円×1000株)、分割後も200万円(1000円×2000株)で変化はありません。会社の発行株式数は2倍になり、各株主の持ち株数も2倍になりますが、株主資本の総額に変化はなく、株主の株式保有割合も変わりません。
現在では株式分割は、高額な株価を買いやすい水準に落としたり、企業が株主にメリットを還元するために株数を増やしたりなどのために行い、株数が増えることで流動性が高まり、投資家の裾野が広がるものと期待されています。また、株式分割をおこなう会社は、成長力があって株価が高い会社が多いとされ人気化するケースがほとんどとなっています。
しかし、株式分割は信用取引をさせている方にとっては少し面倒なものになります。それはなぜかと言うとそれまでの投資計画を変更せざるをえなくなったり、予期せぬ手続きを踏まなくてはならないからです。とは言え、株式分割の実行日である「権利落ち日」自体はその発表から2ヵ月後ぐらいになりますので、対策を練り直す時間は十分にあります。信用取引での株式分割において注意しなければならないのが「保有している株が株式分割になった場合」と「株式分割になった株を代価有価証券にしていた場合」の2つのケースになります。最も注意しなくてはならないのが、いずれの場合も株式分割後の株数は変わらないということです。
信用買いした株が株式分割した場合、ずばりその株は分割はしません。この場合は投資家としての選択肢は二つ有ります。「代金決済」と「権利引受け」と言われる方法です。しかし、ほとんどのオンライン証券(ネット証券)では手間がかかることを理由に「権利引受け」を受け付けておりません。
制度信用取引の場合は、株式分割によって信用買いした株は株数は変わらないことから、買い付けた金額と株式分割後の株価でつじつまが合わなくなりますので、この希薄化した分の金額を調整する必要が生じます。そのため、信用買いした株に割当てられる予定の新株の引受権の売却処分を証券金融会社に委任し(権利処理といいます)、その売却代金を、投資家に買付代金の一部の返済するかたちで買い付け単価の修正(単価調整)をします。調整後は建単価が下がりますが、建株数はかわりません。 単価調整は権利落ち日の取引終了後に行われます。一般信用取引の場合は、返済期限(期日)が発生します。期日の前営業日までに建玉の決済を行う必要があります。
株式分割により増加する株式は、実行されるまでにおよそ2ヶ月程かかります。一方、代用有価証券評価は、権利落ち日に下がります。よって権利落ち日から分割による新株が実際に交付されるまでの間、権利確定前に比べ代用有価証券の評価が下がった状態となり、追証が発生する場合があります。 代用有価証券の中に株式分割銘柄がある場合は、権利付き取引の段階から余裕をもった取引をすることをお勧めします。
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