空売りの利用法 ―ヘッジ機能

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空売りの利用法 ―ヘッジ機能


 株を買う目的の多くは、購入した株が値上がりすることにより値上がり益を得ること でしょう。ですから、次にどの銘柄が値を上げるだろうかという視点で株式売買を行うことは 理にかなっていると思います。ですが、買い持ちのみの投資戦略だけでは下げ相場に おいては値上がり益どころか購入した株の値が下がってしまい、反対売買により損益を 確定すると損を出してしまいます。つまり、単純に買って持ち続ける以外に対応策を 知らない新米トレーダーにとっては下げ相場では二つの選択肢しかありません。

・ 持ち続けて損をするか
・ 手仕舞いをして損をするか

 結局のところ、バイ&ホールド戦略のみでは下げ相場が続く限り損は避けられない という訳ですね。もちろん、下げ相場が襲ってくる度に手持ちポジションを解消して 早めの損切りを実行する人もいれば、嵐が過ぎ去っていくのをじっと耐えている人も いるでしょう。対策は人それぞれです。


買いのみでは下げ相場はとれない。それは仕方がない。 ではどうすれば下げ相場でも儲けることが出来るようになるのでしょうか? 株式投資のみならず先物や為替などの投資全般において、 トレーダーは安く買って高く売るというプロセスにおいて利益を得ます。


ですが、利益を得るためには安く買って高く売るという順番を必ずしも守らなければ ならない訳ではありません。ここがポイントです。空売りというツールを使うことにより 高く売って安く買うという順番が可能となります。投資の世界で成功するためには、 下げ相場でも儲けを出すためのツール(道具)が必要となりますが、そのツールの一つが 空売り(ショート)なのです。


 「・・・高く売って安く買う?」


 株を持っていないのにどうやって売るんだよ、ということですが、他人から株を借りてきて 売ります。 そして株が安くなったときに買い戻して借りた株を返します。 このような手順で 空売りは進行します。


では、どのような場面でこの空売りというツールは効果を発揮するでしょうか。 少し考えて見ましょう。まずここで確認しておくべき事は、借りてきた株を返すのには、 あくまで借りてきた株数と同数の株を返せばよいという点です。例えば、ある時点での株価が1000円のA社の株を100株空売りしたとすれば、 総額10万円(株価1000円×100株)の売買になりますよね。返すのは、 売った株数である100株を返すわけですから、あとはこのA社の株の値段が どのように変化するかで損益が決まるわけです。


仮にA社株が800円に下落したとすれば、100株を買い戻すのに必要なお金は 8万円(株価800円×100株)になります。つまり今回の商取引は、空売りによりA社株 を10万円で売って、そのA社株を仕入れるのに8万円を支払ったことになりますので、 都合2万円の利益になることが分かると思います。(手数料などは除く)


逆にA社株が1200円に上昇したとすれば、100株を買い戻すのに 12万円(株価1200円×100株)が必要となり、その100株を総額10万円で 売っているので結局は2万円の損失となります。


ここまでの例を振り返って考えてみると、結局空売りとは株を仕入れる前に 売ってしまうという行為なのです。なぜ空売りは下げ相場で効果を発揮するツール なのか、と言えば単純に空売りした株価が下がれば、安く仕入れられるようになる からなのです。


これから先、値を下げるだろう銘柄を空売りし、 思惑通りその株が値を下げれば、一株あたりの売ったときの値段から 買い戻すときに必要な値段を差し引いた分の差額が儲けとなります。逆に空売りした銘柄が値を上げてしまえば、株を買い戻すときに値上がり分のお金が余計に必要となるために損をしてしまいます。ある株が不当に高い値をつけており、先々において値段を下げるだろう事が 予見できれば、その株は空売りのチャンスです。ある株が将来的に値上がりするかどうか、という視点以外にも、将来的に値を下げる株はどれか、といった視点があれば 上げ相場でも下げ相場でも儲けられる可能性があります。



ただし株式相場においては、現物だけの取引のみの取引の場合空売りというツールは使えません。信用口座を開設する必要があります。信用口座の開設の仕方は、取引している証券会社によって若干の違いがあると思いますので、その証券会社のHPで調べてみてくださいね。商品先物やFXでは、口座開設すると同時に売りから始めることも出来ます。信用口座を開かずとも、空売りと同様の操作ができるという点は、株式相場と商品相場およびFXのいくつかある違いの一つだと言えるでしょうか。



株式相場のみに限ってみれば、現物だけの取引しかしていなければ、買って持ち続けながら値上がりを祈るという手法に終始するでしょう。下げ相場になった時、儲けを得るどころか損を出すしか道はありません。そのためにも、下げ相場でも儲けをコントロール出来る空売りという手法は学ぶに値するでしょう。この手法を使いこなせるようになれば、例えばIT関連のハイテク株の高騰、暴落の例に見られるように、 株の値段が高騰する前に買って儲け、暴落する前に空売りして儲ける、という行って帰っての往復で儲ける事も不可能ではありません。


空売りという操作の概念を学べば、儲けを出すためには相場が上がるしかないという考え方から脱却できるはずです。相場における儲け方は、上げを予想するだけという一方通行ではないことを身をもって知るはず。相場の利益は上げ・下げの両方で得ることが出来るという事実が、決して相場は上げのみを願うやり方が必ずしも正しい方法ではないという認識につながるのではないでしょうか。


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